日時:2024年3月16日(土)20:00~22:00
会場:カモシカ書店(大分市)
参加者:12名
BunDoku事務局の江藤です。小説『君たちはどう生きるか』読書会&映画の感想戦を開催しました!初参加の方2名を迎え、12名での開催となりました。
皆さんの語りが止まらない会になりそうだったので、あらかじめふたつの設問を用意し、それに沿って進行することにしました。ひとつめの設問は、心に残ったシーンやセリフを教えて下さいというものです。
まずは小説について「自分の発見を照れながらも思い切って言うコペル君の姿[p.16]に共感した。何かを発見して誰かに伝えたいときってこんな感じだと思う」「コペル君の『許してくれるまで、きっと待ちます』[p.236]に勇気を感じた。過ちを犯したとき、許しを乞うて待つのはとても勇気がいることではないか」など、随所に光るふとした表現が話題になりました。
次に映画について「夏子が眞人に大嫌いと言う場面。夏子が人間らしさを見せたことでむしろ眞人に受け入れられたのではないか」「ヒミの『火は平気だ。素敵じゃないか。眞人を産むなんて』という台詞。生きることと死ぬことを引き受けているように感じた」など、夏子とヒミに注目する人が多い印象でした。
ふたつめの設問は、タイトルが「君たちはどう生きるか」なのはなぜだと思いますかというもの。語るのが難しいテーマでしたが、私としては「どう生きるべきか」と「どう生きたいか」という問いが含まれたタイトルだと思いました。
コペル君においては「卑怯なことをしないべき」という良心から「立派な人間になりたい」という意志が導かれていましたし、眞人においては「夏子を助けるべき」と「夏子を助けたい」の一致が動機として描かれていたと思います。
こうした、やるべきこととやりたいことの一致が「どう生きるか」という問いへの回答になっているのではないでしょうか。そしてそれは、ある意味では英雄的な生き方であり、そうした英雄物語として作品を解釈できるのではないかと思いました。
「宮﨑駿のドキュメンタリーを見ると元気が出る」という意見がありましたが、彼も一人の英雄なのだと思います。やるべきことをやる良心とやりたいことをやる意志を彼に見たとき、私たちもそのように生きることを鼓舞されるのかもしれません。
ご参加いただいた皆さま、楽しい時間をありがとうございました。またのご参加をお待ちしております!